キャリアコンサルタントの資格を取ったとき、何かが変わると思っていた。
「資格があれば、人の相談に自信を持って乗れる」「専門家として認められる」「副業や転職の選択肢が広がる」——そういうことを、漠然と期待していた。
結論から言うと、変わったことと変わらなかったことがある。どちらも正直に書く。
変わったこと
人の話の「聴き方」が変わった
これが一番大きかった。
キャリアコンサルタントの学習で最初に叩き込まれるのは、カウンセリングの基礎技法だ。傾聴、共感、質問の仕方。「アドバイスより先に、相手の話を聴く」という姿勢を、体系的に学ぶ。
資格を取る前の私は、相手が悩みを話し始めると、すぐに「こうすればいい」と答えを出そうとしていた。今はまず「この人は何を感じているのか」を考えるようになった。
人間関係全般が、少しだけ変わった気がする。
自分のキャリアを俯瞰できるようになった
資格の勉強で、キャリア理論を体系的に学ぶ。シャインのキャリアアンカー、ホランドの職業興味、スーパーのライフステージ論など。
これらを知ると、「自分が今なぜこう感じているか」に名前がつく。漠然とした不安が、少し扱いやすくなる。
変わらなかったこと
資格があっても、すぐに「専門家」にはなれない
資格を持っていると言うと「相談に乗ってもらえますか」と言われることがある。
正直に言うと、資格と実力はイコールではない。私は資格は取ったが、相談実務の経験は多くない。「資格があるから何でもわかる」という思い込みは、取得後に自分自身で打ち砕かれた。
資格は「学んだことの証明」であって「できることの保証」ではない。
副業や転職への即効性はなかった
「資格を取れば副業できる」と思っていた。実際にはそう簡単ではなかった。
キャリアコンサルタントとして独立・副業している人はいるが、実務経験と信頼の積み上げがあって初めて成立する。資格を持っているだけでは、仕事は来ない。
それでも、取ってよかったと思う
変わらなかったことが多くても、取得してよかったと思っている。
理由はシンプルで、「自分のキャリアを考える言語が増えた」から。資格の勉強を通じて、これまでなんとなく感じていたことを言葉にできるようになった。
それは仕事にも、育休を含む自分の選択にも、じわじわと効いている。
資格を取るかどうか迷っている人に一つ。
「資格があれば変わる」という期待は、半分だけ持っていくといい。変わるのは自分の内側だ。外側の環境は、自分で動かないと変わらない。