制度じゃなく、人間の話をしよう

令和の人事係長 の本音ブログ

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「転職すべきか」より先に考えること。

キャリアコンサルタントとして話を聴いていると、転職の相談の多くは、転職より前に考えるべきことが残っている。その「先に考えること」を整理した。


「転職すべきか迷っています」という相談を受けることがある。

話を聴いていくと、多くの場合、転職の前に考えるべきことが残っている。転職は手段であって、目的ではない。でも、「転職すべきか」という問いを立てた瞬間、転職が前提になってしまいがちだ。

そこで一度立ち止まって、先に考えてほしいことを書く。


「今の不満」と「理想の状態」を分けて考える

転職を考える人の多くは、今の環境への不満から出発している。

上司が合わない。給料が上がらない。やりたい仕事ができない。残業が多い。

これは正当な理由だ。ただ、不満の裏にある「理想の状態」を言語化できている人は少ない。

「上司が合わない」の裏にあるのは、「自分の仕事を認めてほしい」なのか、「意思決定に関われる環境がほしい」なのか、それとも「職場の人間関係そのものをリセットしたい」なのか。

それによって、転職が答えかどうかも変わってくる。


「転職で解決すること」と「転職しても変わらないこと」

転職で変わるのは、環境だ。職場・上司・仕事内容・給与。

転職しても変わらないのは、自分だ。

「どこに行っても同じ」という言い方は少し乱暴だが、自分の思考パターン・コミュニケーションの癖・仕事への向き合い方は、環境が変わっても持ち越される。

今の環境で起きている問題が、自分の側に要因がある場合、転職しても同じことが繰り返される可能性がある。

これは自己否定ではなく、客観的な問いだ。「この問題は環境の問題か、自分の問題か、それとも両方か」。


キャリアコンサルタントとして気づいたこと

相談を受けていて感じるのは、「転職したい」という言葉の奥に、もっと根本的な問いが隠れていることが多いということだ。

「このまま歳を取っていいのか」 「自分は本当に何をしたいのか」 「仕事以外に自分の居場所があるか」

これらは、転職で答えが出る問いではない。でも、これらに向き合わないまま転職すると、環境が変わっても同じ問いに悩み続ける。


「転職すべきか」の前に立てる問い

一つだけ問いを持ち帰ってほしい。

「今の状況で、自分はまだ試していないことがあるか」

試し尽くして、それでも変わらないなら、転職は有力な選択肢になる。でもまだ試せることが残っているなら、それを先にやってみてもいい。

転職は、逃げでも正解でもない。選択肢の一つだ。


キャリアコンサルタントの資格を取って変わったことの一つは、「答えを出す」より「問いを立てる」ことの価値を知ったことだ。転職の相談は、その典型だと思っている。